報告|おおえ博士になろう!第4回 08/2/17
⇒概要
雪の舞う寒い冬の日曜日。本日のワークショップのテーマは「緑の停留所」~場所をつなぐ~。小さなガリ版刷りの停留所をいくつか手に持ち土蔵を出発します。具体的には自分の気になった場所に置いて写真を撮り、その共通点を見つけながら歩きましょうというもの。早速土蔵前で撮影。
ワークショップ参加者(椎原 かずひろくん・西小路 敏さん・井上 明彦さん・藤原 康子さん/企画者:椎原 保・水口 菜津子)
前回の博士の西小路さんも本日も朝から参加してくださいました。大枝04の全体の監修もお願いして、これからいろいろお世話になります。
氷が今日は全く溶ける気配がありません。
たくさんの猫を守る犬がいました。近づくとほえられました。
みなさんの撮影が始まりました。風の強い日で飛ばされそうな停留所をそれぞれの工夫で撮影されています。
連続参加のかずひろくんは今回、自分の緑のレゴを持っての参加です。
溶けかけたかまくらのあと。
大山崎街道から山側へ少し高台にあがると京都の町が一望できます。
大原野神社の近くの無人販売。ここを左にあがると大原野神社の北側にあたる社家一族の斉藤さんら、地元のかたの集会所、今回の博士のお話の行われる「西芳寺」にたどり着きます。
午後からは、斉藤博文(ひろふみ)さんによるはかせのお話「昔の子供が見た大原野」です。今のように遊び道具がたくさんない時代、子供たちの遊び場は自然や暮らしの中そのものでした。そのころの大原野は竹やぶで京都の中心地と断絶した状態でした。情報源は先輩や大人たち、そして土地の自然そのものでした。そういった中で育まれた斉藤さんのお話はとても深くすがすがしいものでした。
斉藤さんら野田会の祖先は大原野神社をお守りする社家一族として、奈良から移り住んだといわれてます。京都市に編入になったとき野田の地名を残すため野田会を結成し、この場所で月に一回集まり親睦を深めて来られました。
今日も野田会のメンバー斉藤健二さん・斉藤大五さんも参加してくださりました。
坂だらけで平地が少ない。(エダノ坂やデングの坂、クソタレ坂など面白い呼び名もたくさんあったり・・・)稲刈りが終わるとすぐに田んぼで草野球。子供の遊びも季節や風習ととても深く関係がありました。
(手前から斉藤健二さん・井上明彦さん・斉藤大五さん・西小路敏さん)
おやつのひとつはくぼう柿という昔はどこの家にもあった甘い甘い柿。9月10月ごろ、つくつくほーしの鳴く声を「つくつくおいし、つくつくおいし」と聞いて子供たちはもう食べられると判断したものでした。
(手前から椎原保さん・奥田さん・斉藤博文さん)
斉藤大五さんは大工さんで竹だいこの演奏もされています。方言で曲もつくられています。(だんない=大丈夫・ぎゃんぎゃん=たくさん・いっかい=大きい)
歌といえば・・・11月のはじめの亥の日の<いのこ>(こたつを入れる日)にいのこもちを食べる日に子供たちは朝からいのこ棒をつくり、各玄関前をたたきながら「♪いのこ数え歌」をうたったそうです。わら一束の真ん中にずいきをいれて縄できつくまいてその棒をつくるととてもいい音がしたそうなのです。そしてその家の人からおみかんをもらうのが楽しみだったそうです。ハローウィンとなんだか似ていますね。
7月の最初に行われる虫送りと誘蛾灯のお話。虫送りとは竹箒の大きいものに火をつけ田んぼのあぜを歩くと虫がそこにたくさん集まってくるもの。誘蛾灯とは1m20cmくらいのくいの上の板の上に丸いブリキでできた水盤をのせその上になたね油を入れた缶に芯をたらたものをたんぼのあぜに並べ、子供たちが夕方になると、日をつけ歩いたというものです。その光景はとても美しく幻想的だったそうです。本日の参加者、西小路さんと斉藤健二さんが経験され、再現できたら素晴らしいだろうなぁというお話も出ました。
(手前より斉藤健二さん、西小路敏さん、藤原康子さん)
またかつては1月22日に大原野神社独自のお弓講がありました。お弓練習場が今も残る家もあるそう。
子供たちの遊びでもゆみやを作りました。竹を切ってまげて・・矢はせいたかあわだち草でした。
もうしている人はいませんが、1月4日は山はじめ。おもちとおふだを持って芝刈りに行きます。山の仕事は子供の仕事でもありました。こくぼと呼ばれる松の落ち葉はよく火がつくそう。集めて固めてたいこにして、しょいこに載せて降りてくる大人のお手伝いに行ったり、しばを集めたり・・・よく人の出入りのあった山は自然に手入れが行き届き、山菜や実がたくさんとれたそう。しかし今では、人もあまり入らなくなり、草がのびすぎて日が届かず、そういった山の恵みが少なくなってしまったそうなのです。
本日のお菓子はたまごやさんで購入したうるち米のおかきです。
自然の摂理を知ったうえで自然と関わる。斉藤さんらは先輩たちに遊びの中で考えたかたも学ばれたといいます。そしてきちんと人と人とがつながり、自然と考えかたを共有することで、いざとなったとき地域をまとめられるような野田会のような集まりを今現在も続けられているのです。
今日は遊びから歴史、風習、またそこに根付く強い考え方まで多岐に渡り楽しい会を催すことができました。斉藤博文さんをはじめ、参加していただきました皆様どうもありがとうございました。このつながりからまた何かつながっていけたらと思います。
(午後の参加者:お話・斉藤博文さん・斉藤健二さん・斉藤大五さん・西小路敏さん・奥田さん・椎原かずひろくん・OAP:井上明彦さん・藤原康子さん/企画者:椎原保・水口菜津子)
雪の舞う寒い冬の日曜日。本日のワークショップのテーマは「緑の停留所」~場所をつなぐ~。小さなガリ版刷りの停留所をいくつか手に持ち土蔵を出発します。具体的には自分の気になった場所に置いて写真を撮り、その共通点を見つけながら歩きましょうというもの。早速土蔵前で撮影。
ワークショップ参加者(椎原 かずひろくん・西小路 敏さん・井上 明彦さん・藤原 康子さん/企画者:椎原 保・水口 菜津子)
前回の博士の西小路さんも本日も朝から参加してくださいました。大枝04の全体の監修もお願いして、これからいろいろお世話になります。
氷が今日は全く溶ける気配がありません。
たくさんの猫を守る犬がいました。近づくとほえられました。
みなさんの撮影が始まりました。風の強い日で飛ばされそうな停留所をそれぞれの工夫で撮影されています。
連続参加のかずひろくんは今回、自分の緑のレゴを持っての参加です。
溶けかけたかまくらのあと。
大山崎街道から山側へ少し高台にあがると京都の町が一望できます。
大原野神社の近くの無人販売。ここを左にあがると大原野神社の北側にあたる社家一族の斉藤さんら、地元のかたの集会所、今回の博士のお話の行われる「西芳寺」にたどり着きます。
午後からは、斉藤博文(ひろふみ)さんによるはかせのお話「昔の子供が見た大原野」です。今のように遊び道具がたくさんない時代、子供たちの遊び場は自然や暮らしの中そのものでした。そのころの大原野は竹やぶで京都の中心地と断絶した状態でした。情報源は先輩や大人たち、そして土地の自然そのものでした。そういった中で育まれた斉藤さんのお話はとても深くすがすがしいものでした。
斉藤さんら野田会の祖先は大原野神社をお守りする社家一族として、奈良から移り住んだといわれてます。京都市に編入になったとき野田の地名を残すため野田会を結成し、この場所で月に一回集まり親睦を深めて来られました。
今日も野田会のメンバー斉藤健二さん・斉藤大五さんも参加してくださりました。
坂だらけで平地が少ない。(エダノ坂やデングの坂、クソタレ坂など面白い呼び名もたくさんあったり・・・)稲刈りが終わるとすぐに田んぼで草野球。子供の遊びも季節や風習ととても深く関係がありました。
(手前から斉藤健二さん・井上明彦さん・斉藤大五さん・西小路敏さん)
おやつのひとつはくぼう柿という昔はどこの家にもあった甘い甘い柿。9月10月ごろ、つくつくほーしの鳴く声を「つくつくおいし、つくつくおいし」と聞いて子供たちはもう食べられると判断したものでした。
(手前から椎原保さん・奥田さん・斉藤博文さん)
斉藤大五さんは大工さんで竹だいこの演奏もされています。方言で曲もつくられています。(だんない=大丈夫・ぎゃんぎゃん=たくさん・いっかい=大きい)
歌といえば・・・11月のはじめの亥の日の<いのこ>(こたつを入れる日)にいのこもちを食べる日に子供たちは朝からいのこ棒をつくり、各玄関前をたたきながら「♪いのこ数え歌」をうたったそうです。わら一束の真ん中にずいきをいれて縄できつくまいてその棒をつくるととてもいい音がしたそうなのです。そしてその家の人からおみかんをもらうのが楽しみだったそうです。ハローウィンとなんだか似ていますね。
7月の最初に行われる虫送りと誘蛾灯のお話。虫送りとは竹箒の大きいものに火をつけ田んぼのあぜを歩くと虫がそこにたくさん集まってくるもの。誘蛾灯とは1m20cmくらいのくいの上の板の上に丸いブリキでできた水盤をのせその上になたね油を入れた缶に芯をたらたものをたんぼのあぜに並べ、子供たちが夕方になると、日をつけ歩いたというものです。その光景はとても美しく幻想的だったそうです。本日の参加者、西小路さんと斉藤健二さんが経験され、再現できたら素晴らしいだろうなぁというお話も出ました。
(手前より斉藤健二さん、西小路敏さん、藤原康子さん)
またかつては1月22日に大原野神社独自のお弓講がありました。お弓練習場が今も残る家もあるそう。
子供たちの遊びでもゆみやを作りました。竹を切ってまげて・・矢はせいたかあわだち草でした。
もうしている人はいませんが、1月4日は山はじめ。おもちとおふだを持って芝刈りに行きます。山の仕事は子供の仕事でもありました。こくぼと呼ばれる松の落ち葉はよく火がつくそう。集めて固めてたいこにして、しょいこに載せて降りてくる大人のお手伝いに行ったり、しばを集めたり・・・よく人の出入りのあった山は自然に手入れが行き届き、山菜や実がたくさんとれたそう。しかし今では、人もあまり入らなくなり、草がのびすぎて日が届かず、そういった山の恵みが少なくなってしまったそうなのです。
本日のお菓子はたまごやさんで購入したうるち米のおかきです。
自然の摂理を知ったうえで自然と関わる。斉藤さんらは先輩たちに遊びの中で考えたかたも学ばれたといいます。そしてきちんと人と人とがつながり、自然と考えかたを共有することで、いざとなったとき地域をまとめられるような野田会のような集まりを今現在も続けられているのです。
今日は遊びから歴史、風習、またそこに根付く強い考え方まで多岐に渡り楽しい会を催すことができました。斉藤博文さんをはじめ、参加していただきました皆様どうもありがとうございました。このつながりからまた何かつながっていけたらと思います。
(午後の参加者:お話・斉藤博文さん・斉藤健二さん・斉藤大五さん・西小路敏さん・奥田さん・椎原かずひろくん・OAP:井上明彦さん・藤原康子さん/企画者:椎原保・水口菜津子)
by oeap
| 2006-01-03 02:17
| おおえ博士になろう!
高速道路建設により変容する京都・西山の風景と関わるアートプロジェクト
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