カテゴリ:大枝風景ノート
- みちを考える[ 2012-04-07 11:33 ]
- 大原野のお火たき_2011年12月10日[ 2011-12-11 10:54 ]
- 大枝風景ノート|2010年10月[ 2010-10-08 18:56 ]
- 大枝風景ノート|2010年4〜5月[ 2010-05-18 23:58 ]
- 大枝風景ノート|2010年3月30日[ 2010-03-31 03:10 ]
- 大枝風景ノート|2010年2月[ 2010-02-25 00:29 ]
- 2009/4/29(水・祝)【おおえトコトコ散歩】[ 2009-04-20 05:14 ]
- 大枝工作隊と大藪家最後の地蔵盆 2008/8/22[ 2008-08-22 23:53 ]
- 【大枝風景ノート】 埴輪のひっこし[ 2008-07-01 23:49 ]
- 見えない道、変容する風景 2008年6月20日[ 2008-06-20 22:28 ]
大原野のお火たき_2011年12月10日
2011年12月10日(土)、大原野の野田会の主催による「お火たき」が今年も行われました。
大原野の田んぼの真ん中につくられた竹のピラミッド。東に向かっての傾斜地なので、田んぼから京都市街が一望できるすごい立地。
午後6時すぎ、
人々が集まり始めます。
神主さんの祈祷が済むと、火が放たれます。


竹筒にお酒を入れて熱燗にします。来た人にふるまわれます。
今夜は皆既月食。冷える夜空に煌々と輝く月食前の満月、それをお火たきのやぐら越しに仰ぐぜいたくな時間。
(井上記)
大枝風景ノート|2010年10月
今年は、アートブックづくりばかりに時間を費やし、西山の風景、地域のひと・もの・ことに関わろうとするOAP本来の活動(?)がおろそかになっている・・・気がします。個々人はいろいろやっているのですが。
反省を込めて、10月7、8日、ひさしぶりに大枝を歩いてのレポートです。
ものすごい勢いで、沓掛インターチェンジの工事が進んでいます。
9号線からのぼってくるもうひとつの道が建設中。左手が旧大山崎街道(見えません)。
インターチェンジの高架のカーブの一部がつくられつつあります。現代では、唐突に空中から道がつくられるのです。

こっそり(じつはどうどうと)、フェンスの向こうに入ってみました。
将来、インターチェンジになる現場です。
2008年に「みどりの停留所」展で、展示場所になったのがうそのよう。
名もなき荒野がひろがっています。宙づりの風景に、なぜかときめいてしまうのは、美術などにたずさわっている者の性? 職業病?
次は、よく歩いた東海自然歩道に入ってみます。一時期、通行禁止になっていましたが、農家の人の要求で解除され、現在、通れます。
まもなくなくなる自然歩道と、やがてくる高速道路が交差する、なんていう、信じられない風景の中を歩けます。こんな風景のめくるめく流動化現象を味わいながら歩けるのは今しかない。はっきりいって瀬戸内芸術祭なんか目じゃない(まだ見てないけど)。
倒壊自然歩道。おすすめです。
OAPメンバーの浅野真一さんが絵に描いたポリカ屋根の建物の手前が大きく様変わり。とつぜん道路があらわれ、とつぜん消えます。
バルビゾンの風景画家たちは、描いた風景モチーフがあっというまに変わるさまを見たら、なんていうでしょうか。今日、風景画を描く意味は大きく変わっているのかもしれません。
千丈墓地に、工事がせまっています。
地蔵さんたちは、声もなくまわりの風景の変化を見守っています。
遠くに見えるは、京都芸大博士課程棟。風景の変化なんて知ったこっちゃない。早くまちなかに戻りたい・・・と先生方。
メンバーのみなさん、風景の変化の観察と記録にご協力いただけたら幸いです。
(関心ないですか?)
(井上記)
大枝風景ノート|2010年4〜5月
4月17日、峠の茶屋が消えた。
5月14日、大藪家が消えた。
工事用防音シートには、ある文章が逆さ吊りになって反復されている。決して読めないその文章は、
「未来に夢中です。」
5月16日、大藪家と石灯籠のあいだの九社神社参道入口に、例年と同じ提灯が飾られた。大藪家の土塀はまだ残っている。
信じられない光景に絶句する。
山の神毎年1月4日の山開きのときに、その年の山仕事の安全を祈る神様の木。
やはり移転対象となっている千丈墓地から、東海自然歩道を南へ歩いてすぐのところにある。
あるとき、地元の人が、柿畑の影になるので切ろうとしたとき、その人は急に重い病気になってしまった。「山の神のたたりにちがいない、あの木は切ったらあかん」と、今も木のお世話をしている地元のおばあさんは言う。「土地は売られたしもたけど、私らはぜったいあの木をよう切らん。道路工事の人が切ったら、きっと工事の人や、道路を通る人に悪いことが起きる。」
注連縄は今年1月に地元の人がまいた。周囲の工事が進むなか、道路予定地のどまんなかにただ一本立ちすくんでいる。地元の人々の気持ちを代弁するかのように。
5月17日、その山の神の周辺の工事が着手された。工事の人たちに何も起きないことを祈る。
(井上記)
大枝風景ノート|2010年3月30日
先日、西長会館で開かれた道路工事説明会に、地元の人に交じって参加した。すでに大半の土地買収が住んでいるので、地元の人々はあきらめてしまっているのかと思っていたが、高速道路より西の山手に住む人々は、生活道路が分断されることに我慢ならない様子。
やはり、山際ではなく、人が住んでいる土地のど真ん中に高速道路を通す計画は、無謀というしかない。
図面を引いた人間には、辺境の高齢化が進む土地は、人が住み、歴史もある場所だと認識されないのか。
地元への形式的な説明会がある一方で、沓掛インター部分の工事は急ピッチで進行している。すでに橋脚が立ち上がっている。
助成金申請書づくりで疲れた頭でぼんやり見上げる。
えぐられた地形越しに、芸大の博士棟が見える。あんなところで委員長をしないといけないのか。芸大では誰も真横で起こっている風景の変化に対して、リアクションを起こさない。
それどこか、町の中心部に戻りたいと先生方はのたまう。
世間的に成功した芸術教育者たちにとっても、大枝は無視すべき辺境の地らしい。
この墓地は、インターチェンジと拡張される側道にはさまれて、文字通り宙に浮くことになる。空中墓地。
大藪さんの隣の家が、今日、取り壊された。見えなかった下の池の堤がつつぬけに見える。巨大テクノロジーのもとでは、deleteは一瞬だ。風景の記憶もたちまち抹消される。
空になった北向き地蔵の祠が、虚無を見上げている。
大藪さんのお屋敷も、5月の連休明けには取り壊されるという。
解体費用は立退く人間が支払わないといけないらしく、迷惑がかからないよう、峠の茶屋も4月半ばには解体撤去しないといけない。
(井上記)
大枝風景ノート|2010年2月
久しぶりに大枝の風景の変貌ぶりをレポートする。今年になって、いや、民主党政権に替わった昨秋以来というべきか、大枝の高速道路工事のピッチがあがった。
芸大グラウンドの西側には、にそとと9号線のインターチェンジがつくられるのだが、墓のある西側の、丘と谷がひだをなす自然地形は大きく様変わりしている。
2008年夏に行った「みどりの停留所」展のときは、柵こそたてられていたが、まだ自然地形は残っていた。それは完全に姿を消している。
西山の裾野の方にあがって、インターチェンジ予定地を見下ろす。かつてあった風景と、いまだ来らぬ風景の間に、刻々と変貌をとげる無名の光景がひろがっている。
いや、これは、「風景」と呼べるものではないのかもしれない。
にしやまアートブックの取材のために、九社神社をおとずれ、裏手の貯水タンクの方におりていくと、今度はさらに目をこすりたくなる光景がひろがっていた。たくさんのキャラクター人形が、二重柵のあいだにはさまれて、ずらりと並んでいる。
柵のところだけでなく、貯水タンクに隣接する柿畑の柿の木にも、いろんな人形がぶらさがっている。だれがやったのだろう。
芸大生か。近所の子供たちか。
たまたま九社神社にスケッチにやってきた芸大生とでくわしたので、聞いてみたら、彼女もびっくりして、知らないという。
二重柵にはさまれた人形たちは、みな坂道の方に背を向け、西山の方を向いている。それにしても、いつもは正面ばかり見ている人形の背中しか見れない、という体験は新鮮だった。
棄却される風景(棄景)を背にして、いろいろ示唆的でもある。
人形たちといっしょに、しばし西山への落日をみつめた。
(井上記)
2009/4/29(水・祝)【おおえトコトコ散歩】

【終了しました】 → 活動報告その1
その2
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春の大枝を歩きませんか?
みんなの「みどりの停留所」をめぐりながら、
これまでこれからについてお話しましょう。
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日時:2009年4月29日(水・祝)
13時集合 16時解散予定
集合場所:大枝土蔵
大枝アートプロジェクトの活動も5年目に入り、さまざまな広がりを実感しています。音楽会や講演会、展覧会と楽しい企画もたくさんありましたが、今一度、大枝を歩こう!という企画です。
実際に大枝〜大原野を歩き、語り、風景の変化を感じる事で、また新たな表現が生まれるのではないでしょうか。
今回、今年で4年目の参加となる、ひろ が、及ばずながらナビゲーターをつとめさせていただきます。とはいえ、堅苦しくなく、ゆるく、楽に、大枝を自由に感じていただければ、と思います。
途中参加も大歓迎。
集合時間は13時、解散時間が16時となってますが、あくまで目安です。
16時にきて夕方の大枝をあるきたい!って方もぜひご参加ください。個別ナビも対応します。
お手伝いいただける方、一緒にナビゲーターをやってくれる方も随時募集中。
企画・問い合わせ:ひろゆりか
大枝工作隊と大藪家最後の地蔵盆 2008/8/22
大藪さんのお宅は300年前から、大山崎街道沿いの峠のようなこの地にある。道に面した店先で、よく人が車をとめ、野菜(秋はもちろん柿)を買っていく。
敷地の一部に地域では唯一の古い工法による土塀が残る。土塀の道路側部分は取り壊して駐車場になっている。
この大藪家は「にそと」建設のために取壊しになる。すでにまわりではものすごいスピードで工事が進んでいて、どんどん家が取り壊されていく。⇒関連記事
そこでみどりの停留所展(7/19〜21)の際、駐車場の一部に地元の民家の廃材で停留所をかねた「峠の茶屋」を建設する計画を井上明彦が発表し、試作をつくった。道路工事の最前線で、風景の記憶にふれ、その変容のさまを見届けるための場所だ。
試作は展覧会後に撤去したが、それがきっかけになって、「峠の茶屋」を新たに建設しようということになり、「大枝工作隊」が結成された。
8月22日、現場で建設準備の作業をはじめた大枝工作隊。OAPメンバーの画家・浅野真一氏も飛び入りで手伝ってくれる。
この日、大枝工作隊は衝撃的な光景に出会った。大藪家の前の道路部分が付け替えのため封鎖され、店が閉じられている。
もう以前のように店先に車をとめることも、駐車場に車を入れることもできなくなっているのだ。
そんな物々しい雰囲気のなか、大藪家の門から中へと赤ちょうちんが飾られているをみつける。地蔵盆の準備だった。
大藪家では毎年夏、表の「北向き地蔵」を家の中に移して、地蔵盆を営む。「北向き地蔵」は母屋の庭側の広縁に置かれ、ちょうちんが両脇に参道のように並ぶ。いつも外で見る地蔵を室内でむき出しで見るのは不思議な気分。
夜7時、近所のおばあさんたちがやってくる。大藪家の隣で、もう取り壊された家の中原さん(長岡京に引越済み)のおばあさんもいる。
錫と鐘で御詠歌が始まる。
8時すぎ、近所の子供たちも次々やってくる。
この大藪家での地蔵盆の光景も今年が最後になる。
工作隊一行が子どものようにお菓子をもらって外に出ると、古い門のところで、ほんとうの子どもたちが遊んでいる。工事中の道路をへだてた向こうに、言いようもなく美しくはかない光景が浮かび上がる。
工作隊一同、ぼうぜんと見守る。
吹く風が秋のにおいをはらんで、切ない。
(井上記)
【大枝風景ノート】 埴輪のひっこし
見えない道、変容する風景 2008年6月20日
このところ、西長町の大山崎街道の道路工事が急ピッチで進展している。気がつけば、いつもそこにあったものが消え、
風景の構造ががらりと変わっている。
インターチェンジ予定地近くのこの付近では、狭い大山崎街道が拡幅され、売却・解体された民家の敷地のうえを新しい側道がのびていく。その道沿いに、すごいスピードで次々と電信柱が立てられていく。
まだ電線のはられていない電信柱の列が、見えない道路を指し示している。
大山崎街道を南にのぞむ。拡幅中の道路。右の電信柱の列が廃棄されて、左の電信柱の列に機能が移される。
左に松尾家、右に大藪家。このプロジェクトが始まる前から何かとお世話になっている両家が向いあうこの地点が、こんなふうに変わるとは・・・。
⇒昨年の関連記事
「北向き地蔵」はまだあった。珍しく北向きにたつこの法華地蔵尊は、うしろの大藪家が代々お世話にしてきた。
子どもの湿疹皮膚症に霊験あらたかとして近隣の信仰が厚かったという。
昔、この地蔵を棄てようとした者が、その夜から発熱して七転八倒したという言い伝えが残っている。
大藪さん一家が立退いてしまったら、だれが地蔵を世話するのか?
松尾家の向いに合った岡嘉農園の中原さんの立派な民家も、あっというまに姿を消した。屋敷をつぶしたキャタピラの跡にたまる水たまりが、梅雨の曇り空を映している。
九社神社への参道。かつての風情ある風景は見る影も無い。
岡嘉農園の朱い板張りの壁が消えて、向いの大藪家の土塀がとてもさみしそうだ。
京都国道事務所のサイトには、用地の取得状況が載っている⇒*。それによれば、今年4月時点で、大枝西長町は3割半ばの土地がすでに収用が終わっている。
インターチェンジ予定地の大枝沓掛町の用地は、8割半ばがもう収用されているなので、近々大きな風景の変化が予想される。
(井上記)
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高速道路建設により変容する京都・西山の風景と関わるアートプロジェクト
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京都芸大の池にも変化が。
