人気ブログランキング | 話題のタグを見る

報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18

報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_20313226.jpg2010年4月17日(土)、ついに峠の茶屋の解体式を迎えた。
お披露目茶会から、ちょうど一年。連休明けに控えた大藪家解体に先立ち、峠の茶屋を撤収する。
解体式では、作業の安全を祈り、近所の人や地上と地下の生き物に迷惑をかけないことを誓い、そして建物の材料となった木や草、土、石などをもとの自然に返してお礼をいう。
この解体式は、地域の伝統的な建築文化を見直そうという、OAPの新プロジェクトにも関連している。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_18535261.jpg大原野神社の神主さんを呼んで本格的に、という話もあったが、もっか資金が底をついているので、われわれだけで独自の解体式を執り行うことになった。

式を取り仕切るのは、OAP実行委員長で地元建築士の西小路敏氏。びしっとした背広姿で決まっている。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_18583970.jpg参加者は、OAPから、西小路さん、浅野、三木の各氏に、新メンバーの院生・増田さん、制作スタッフである芸大のつちのいえプロジェクトの顧問・小清水漸名誉教授、栗本夏樹准教授、学生の富元君、木下さん、茗荷君、稲垣さん、下迫君、それにデザイン科の新入生2人が参加。
予想以上に集まって、ほっとする。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_1975597.jpg西小路さんによる釘抜きの儀式。

「えいっ、えいっ、えいっ !」と梯子にくさびを打ち込む身振り。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_20361652.jpg式のあとは、最後の食事会。
久しぶりに人でにぎわって、峠の茶屋も喜んでいる。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_2038739.jpg峠の茶屋は、テラスに上がってはじめて「峠」のロケーションがわかる。
この日、はじめて上った人もいた。
テラスの上は、ぽかぽか春の陽気。
しばし、なごみの時間。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_2042550.jpg14時から解体作業を開始。
まずはテラスの手すりをはずす。

作業は解体というより、材料を再利用するので、分解に近い。
いずれにせよ、つくるときと同様に手順が大事。足場を確保しながら進めないと、はずせるものがはずせなくなったりする。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_20461699.jpg屋根をはずす。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_20464126.jpg日干しレンガは崩れなかったので、そのままひとつずつはずして持ち帰ることにする。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_20473545.jpgもちろんしっかりくっついてはずれない箇所もある。
小清水先生がタガネを打って手伝ってくださる。
ありがたい。おかげで作業の一部をビデオで撮影することができた。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_2049237.jpgレンガをどんどんはずして運ぶ。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_20502843.jpgつくったレンガは80数個はある。
学生たちの協力で、ずいぶん作業がはかどった。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_20494597.jpgレンガをはずしていくと、建物と風景の関係がどんどん変化していって、とても面白い。
建築は、内部と外部の関係を決める開口部が決定的であることをあらためて痛感する。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_2155744.jpg竹小舞を使った左官壁の方は、そのまま軸組から取りはずすことにした。
しかし、さすがにずっしりと重い。300kgはあるだろうか。男6人がかりでやっと運べる重さ。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_21185256.jpgこの日の作業は17時には終了。

大藪家の駐車場が元通りになった。

報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_2144945.jpg翌4月18日(日)も午後1時から作業。

椎原保先生と子供たちが手伝いにきてくれる。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_21121923.jpgはがした土は土嚢につめる。
息の合った兄妹。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_21152551.jpg土嚢は全部で40袋近くになる。

この日、手伝ってくれたのは、椎原親子に加え、つちのいえPJの木下さん、テーマ演習受講生の遠藤君、谷口さん。
報告|「さよなら、峠の茶屋」 2010.4.17〜18_b0072947_21154374.jpg
壁の構造体を200mほど離れた芸大に運ぶ。

すべての作業は16時すぎには終了した。
人手があるというのは、本当にすごい。
われわれは規模の大きな古代遺跡に感動するが、機械力はなくとも、多くの人力があれば、人間は相当なものがつくれると思う。
(井上記)


by oeap | 2010-04-19 19:17 | 峠の茶屋


高速道路建設により変容する京都・西山の風景と関わるアートプロジェクト


by oeap

リンク

カテゴリ

全体
美術
音楽
大枝土蔵
誘蛾灯けいかく
大枝風景ノート
みどりの停留所
おおえ博士になろう!
峠の茶屋
アートブック編集会議
ワークショップ
ダンス
OAP実験カフェ
大枝訪問・滞在記
どぞばたキネマ
活動報告
OAP活動一覧

最新の記事

大枝アートプロジェクト
at 2019-05-31 23:59
2016年夏 大枝土蔵の手入れ
at 2016-08-21 22:30
2014/7/5〜 誘蛾灯・..
at 2014-07-06 21:15
2013/12/7(散策)大..
at 2013-12-08 16:38
2013/11/2 (散策)..
at 2013-11-05 21:18

フォロー中のブログ

藤浩志Report
みどりの停留所
つちのいえプロジェクト
西小路敏のボイスナビ

最新のトラックバック

検索

その他のジャンル

ブログジャンル

アート・デザイン

画像一覧